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口腔衛生学会誌 Journal of dental health 37,456-457(1985) 速報36 より

集団検診における質問紙法の検討 第4報
Use of Questionnaire for Mass Health Subscreening:W

師岡成美  河合二郎  近藤誠  岡田直治  岡田治夫
Narumi MOROOKA,Jiroh KAWAI,Makoto KONDO,Naoharu OKADA,Haruo OKADA

津島歯科総合研究所

索引用語:質問紙法,集団,組み合わせ
Key words:Questionnaire,Mass,Combination


目的

 第35回本学会において我々は,某社の開発した質問紙法を用い,質問紙法の判断と実際の検診結果との比較を行ったところ,部分的には一致をみたものの,全体的には個人の口腔内の程度と,質問紙法の判断の程度とは,一致を見る事がなく,また,質問形式及び質問紙法の判断に用いられだ解答の組み合せに問題があると指摘し1.第29回日本口腔衛生学会東海地方会においては,歯周病の質問項目について報告した。
 今回,某社の質問項目を含む,新に89項目を設定し,検診時の口腔状態を,各病態及び程度別に,質問項目による再現性を検討した。

研究方法

 質問紙票は,食習慣に関する質問,治療経験に関する質問,う蝕,歯周病,顎関節及 び咬合の状態の症状に関する質問,清掃習慣に関する質問など89項目を無作為に配置し,作成した。
 解答方法は,「はい」の場合は○,どちらか判断がつかない場合は△,「いいえ」の場合は×とした。また,近況を把握するだめ,過去6ケ月間に起きた事,または,その状態に関して解答させた。実施時期は,検診を実施する1週間前に,記入させて,回収した。
 対象は,某事務系勤務者57名とした。検診方法は,歯周病をCPlTNで検者1名,う触を島田等の分類を用い,併せて顎関節及び咬合を検者1名,清掃状態をOHI,オーレリー各々で検者1名ずつ,計3部門を4名で担当し,実施した。資料としては,検診結果より,各病態及び程度別に人数の集中している群を対象とした。すなわち,し被検者口腔内で最も重症な歯を代表とする度数でCの者31名,C2の者16名の計47名,歯周病については,CPlTNコード2の者36名,コード3の者16名の訪52名,清掃状態については,OHI・3以上5未満の者18名,5以上7未満の者17名,7以上9未満の者13名の計48名とした。
 集計は,う蝕については,主にう蝕に関連した41項目,歯周病については,主に歯周病に関連した48項目を選択し,C0,C2,CPlTNコード2,コード3,OHlの3群について,単独質問及び質問の組み合せの再現率を,全項目に関して集計し,70%以上の項目を抽出した。

結果

 う蝕について,C0に関しては,Table 1に示すごとく,単独で70%以上の再現率を示す項目は,自発痛,冷水痛,腫脹,修復物脱離,残根状態などの症状,治療経験,清掃習慣に関するもの22項目であった。C2に関しては,Table2に示すごとく,単独の項目は,清掃習慣,治療経験,刷掃指導に関するもの7項目であった。
 歯周病について,CPlTNコード2,コード3に関しては,Table3に示すごとく,単独の項目は,清掃習慣,定期的スケーリング,治療経験に関するもの7項目であった。
 清掃状態については,Table 4に示すごとく,OHl・3以上5未満に関しては,単独の項目は,清掃習慣,治療経験,刷掃指導,定期的スケーリングに関するもの6項目,OHI・5以上7未満に関しては,単独の項目は,清掃習慣・定期的スケーリング,食片圧入に関するもの6項目,OHI・7以上9未満に関しては,単独の項目は,前記のOHl・3以上7未満に含まれる全ての項目,11項目であっだ。次に,C2とCPlTNコード2,コード3に関して,共通の項目各々について,X2-検定の結果・有意差は認められなかった。

考察

 う蝕について,C0とC2において,同一な項目がなかったことより,う蝕に関して健康な者と,C2の病態の者との判カ別は,70%以上の再現率を示す項目で可能ではないかと思われた。次に,C2とCPlTNコード2,コード3において,共通の項目に差が認められなかったことより,両者の病態の判別は,70%以上の再現率を示す項目では困難であると思われた。また,70%未満の症状に関する項目では,必ずしも再現性があると思われなかった。

結論

 う触について,C0に関して,症状,治療 経験,清掃習慣,C2に関して,清掃習慣,治療経験,刷掃指導に関する項目が70%以上の再現率を示すと思われた。
 歯周病について,CPlTNコード2,コード3に関して,清掃習慣,定期的スケーリング,治療経験に関する項目が70%以上の再現率を示すと思われた。
 清掃状態について,OHI・3以上5未満に関して,清掃習慣,治療経験,刷掃指導,定期的スケーリング,OHl・5以上7未満に関して,清掃習慣,定期的スケーリング,食片圧入,OHI・7以上9未満に関して,清掃習慣,治療経験,刷掃指導,定期的スケーリング,食片圧入に関する項目が70%以上の再現率を示すと思われた。

文献

  1. 師岡成美,他:集団検診における質問紙法の検討,口腔衛生会誌,36;476,1986.

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